CIESコンソーシアム
国家プロジェクト
JAXA 宇宙探査イノベーションハブ
MTJ/CMOS Hybrid技術による待機電力不要システム研究、及びその耐環境性試験
(宇宙用途向け)
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遠藤 哲郎 教授
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小林 大輔 准教授(JAXA)
令和元年に、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙探査イノベーションハブ「太陽系フロンティア開拓による人類の生存圏・活動領域拡大に向けたオープンイノベーションハブ」に関する研究提案募集に提案し、アイデア型研究として採択された「MTJ/CMOS Hybrid技術による待機電力不要システム研究、及びその耐環境性試験(宇宙用途向け)」は、令和3年にフォローアップ研究に認定され、研究開発を加速しております。
宇宙探査において、月、火星以遠の探査には、エネルギー源となる太陽光が微弱な環境下で10年以上の長期ミッションが想定されるため、既存技術ではなしえない超低消費電力の電子システムが求められています。また、宇宙機の電子システムには、待機電力不要に加えて宇宙放射線耐性の両立が重要な課題となっています。
本提案では、提案代表者らが開発してきたスピントロニクス素子である磁気トンネル接合(MTJ)とCMOS技術を融合させたMTJ/CMOS Hybrid技術を用いて、待機電力不要システムを研究し、飛躍的な演算効率向上と桁違いの低消費電力化を実現する革新的半導体デバイス・集積回路の実現を目指します。加えて、JAXAが保有する放射線耐性を中心とした信頼性評価により、MTJ/CMOS Hybrid型半導体チップが本来有する不揮発性と高速性に加えて、耐環境性を併せ持つ、電力を使用しない高集積回路の創出を目指します。

MTJ/CMOS Hybrid 技術による宇宙放射線耐性を有する待機電力不要情報処理システムの研究